合宿に乗り込んだものの当然のように練習には参加できずボール拾いをするしかない日向。周りに置いていかれまいと意気込んだ結果の行動が、その現実を余計に厳しく思い知らされる。
それでもできること得られるものはないかと必死に探す彼の「目」を印象的に描いた回。
練習風景を見守る目、指導者や先輩から叱咤・慰めに潤む目、苦悩に歪みぎゅっと瞑る目、「できることを探す」という方向性を定め暗闇の中で光る目。時にコミカルなタッチで、ここぞという時にはエフェクトやゆらぎで加工して丹念に描かれる日向の目。
そしてラストはあえて日向の後ろ姿を映すアングルで終わることで、彼は今どんな表情を、目つきをしているのかを視聴者に否が応でも想像させる*1。うーん、上手いなあ。
日向に対する周りの反応も「目」を軸に描かれていた。鷲匠監督の影をつけた炯々とした目は勿論、牛島の「それでお前は何をやっている?」の科白とともに日向の脳裏に焼き付いた視線、ラストで日向の変調に気づいて目を細めるサトリ等。
4期からの佐藤雅子監督ならではの作品性というのはまだ掴みきれないんだけど、少なくとも原作の切れ味をさらに研ぎ上げて面白いアニメにしていることは間違いない。特に、人物の位置関係演出はすごく盤石なものを感じる。
これが試合回でどう爆発するのか、楽しみ。